【本のまち取材レポート】八戸市読書団体連合会 研修会
2022.06.04
令和4年5月30日に、八戸市読書団体連合会の研修会が八戸ポータルミュージアムはっちで開催されました。
講師として八戸ブックセンターもたびたび企画でご協力いただいている青森県文化財保護協会副会長の滝尻善英さんが招かれ、市内是川にあり国重要文化財にもなっている清水寺観音堂の屋根葺替えと、そこで保管されている板木に書かれた「形見の歌」のらくがきについて、40人を超える会員の方が聴講されました。
青森県内最古の木造建築でもある清水寺観音堂は、昨年10月、40年ぶりに屋根の葺替が行われました。
講演の前半では、茅葺屋根のメリットとして通気性が良いことや雨が降った際も静かであることのほか、葺替の作業工程なども紹介し、その特徴が解説されました。
葺替費用がどのくらいかかったかという話題では、全体としては大きな額ながらも、国や県、市の補助があり、所有者の負担が軽減されていることに、ほっとしたような声が会場から聞こえました。
また、講演後半では、板木に書かれた「形見の歌」のらくがきについて、もともと巡礼札だと考えられていた板木は検証した結果そうではないということを解説しながら、このらくがきには信仰心に基づく願いがこめられており、観音菩薩との「結縁のしるし」としての「楽書き」だと考えられると話されていました。
市内にあり重要文化財にもなっている清水寺観音堂への理解を深める講演で、美しい茅葺屋根を見ながら、歴史ロマンを味わいに行きたくなるお話でした。
講演された内容は、今月(令和4年6月)発売となる雑誌「東奥文化93号」(青森県文化財保護協会発行)にも掲載されるそうです。この号はほかにも八戸の話題がさまざま載っており、八戸市内では伊吉書院さんで販売予定とのことでしたので、気になった方はぜひチェックしてみてください!