“短篇の名手”の作品に触れる。 ~市読連・『盆土産と十七の短篇』読書会レポート~

2020.10.22

 

令和2年10月22日、八戸市読書団体連合会(以下、市読連)の合同読書会が八戸市立図書館で開催されました。

市読連では、市内の読書団体が集まる読書会や、文豪ゆかりの場所への旅行など、本に親しむ催し物が行われてきましたが、今年は新型コロナ禍によりこれまで通りに行事が行えないという状況にあったそうです。

そんななか、久しぶりに開催された合同読書会に八戸ブックセンタースタッフもお伺いしました。

 

 

今回の読書会のテーマ本は八戸出身作家・三浦哲郎の短篇集『盆土産と十七の短編』です。

今年の6月に中央公論新社から発売となっており、中学・高校の国語教科書で親しまれた名作を中心に編まれた短篇集です。

 

司会・進行役の方も含め13人の参加者が順に感想を述べ、印象に残った作品や、三浦哲郎の文体などについて語られました。

文体については、「読みやすい」とか、「ここちよい文章」、「無駄を削った文章に職人らしさを感じる」などの意見があり、「おいしいお茶を飲んだときのように、やさしく入ってくる」というように表現された方もいらっしゃいました。

 

「私は、短篇小説を書くとき一尾の鮎を念頭に置いている。」

 

という、『盆土産と十七の短篇』にも収録されている『一尾の鮎』の冒頭部分を意識しながら読まれている方も多く、短篇の名手といわれた三浦哲郎の作品を存分に味わえる作品集になっていることを改めて感じさせました。

 


後半は、三浦哲郎文学顕彰協議会副会長・宮忠さんの講話もあり、『盆土産と十七の短篇』が刊行された際に三浦哲郎の妻・徳子さんと電話で話したことや、三浦哲郎と親しかった人の間で交わされた手紙についてのエピソードなど、三浦哲郎の人柄に触れられるような”裏話”が紹介され、参加者の方も興味深く聞き入っているようすでした。

 

 

読みやすく、”短篇の名手”の作品の魅力を存分に味わえる『盆土産と十七の短篇』

八戸ブックセンターでも11月7日に読書会を開催することが決まりました。

 

この機会にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

 

 

参考
【イベント情報】「八戸市読書団体連合会」主催読書会のおしらせ
https://8book.jp/hachinohe/3444/

 

 

(スタッフ nao)

 

 

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