まちの本屋が本を届けるということ ~「真冬のトークイベント 面白い本と出合う方法3 本との出合いにまちの本屋ができること」レポート~

2019.02.23

 

平成31年1月27日に、岩手県・紫波町情報交流館で「真冬のトークイベント 面白い本と出合う方法3 本との出合いにまちの本屋ができること」が開催されました。

 

 

登壇したのは伊藤清彦さん(一関市立一関図書館副館長・元さわや書店本店店長)、田口幹人さん(ORIORI produced by さわや書店)、松本大介さん(さわや書店フェザン店)、長江貴史さん(さわや書店フェザン店)の4人。

 

さわや書店といえば、長江さんが仕掛けた「文庫X」の話題が記憶に残っている方も多いかもしれませんが、伊藤さんが本店店長となった平成4年にはお店に大きな赤字があったそうです。

それまでの体制を一新させ、約3年で伊藤さんは赤字を解消させました。

 

売れると確信したら思い切った数の発注を行い、確実に売ってきた伊藤さん。

その方法をそばで見て、さらに独自の方法でお店をつくってきた田口さん、松本さんも加わり、本を届ける舞台裏、そしておすすめ本の紹介と盛りだくさんのトークとなりました。

 

 

実は八戸ブックセンターでは今年の1月に伊藤さん、昨年の3月に田口さんを講師にお招きし、八戸市内の書店員の方を対象とした勉強会を開催しました。

そんなご縁もありつつ伺った今回のトークイベントは、本を届けるということ、そして「本屋」とは何だろうということに一歩踏み込む、発見・刺激の多いイベントでした。

 

 

自己紹介からはじまり、イベントタイトルにある「面白い本と出合う方法」になぞらえて、自身の読書体験について語るなか、高校時代に出合い、年に1度は読み返す本として田口さんは武田泰淳の「富士」を挙げ、何かにつまづいたときや原点に戻りたいようなときに読み返す本が1冊あることの心強さ、大切さについて語られていました。

また、松本さんは大学を浪人し予備校に通っている頃、勉強の合間に古本屋に行ったこと、長江さんは21歳の頃に突然思い立ってブックオフで大量に本を購入したときに「白夜行」(東野圭吾)に出合ったことが、読書のきっかけになったそうです。

 

それぞれに、意識的に読書をするきっかけや本との出合いがあるなか、さわや書店が、そんな本に出合う場所になればと長江さんは語ります。

松本さんはお客さんから「欲しい本が無いけど(別の本を)買っちゃう」と言われたこともあるそうで、さわや書店が実際に「本との出合いの場」になっていることを感じさせられました。

 

 

トーク終盤で印象に残ったのが、伊藤さんが語った「図書館のイメージを壊していかないといけない」ということです。

 

団塊の世代が退職し、図書館の利用が多くなっていくなかで、その要望に応えていく必要性があると伊藤さんは話します。

若い女性の司書も多いなか、伊藤さんが選書に参加しその世代に寄りそうことで、一関図書館の昨年の貸し出し冊数は岩手県内で1位となったそうです。

 

また、田口さんからは、地域ごとに、小さなコミュニティとして成り立つ本屋をつくりたいという話がありました。

そして仕事として書店に勤めていなくても、誰かにその本のおもしろさを伝えたら、その人のことを「本屋」と呼びたいと田口さんは言います。

 

本を届ける人と受け取る人の距離が近くなることで、読書をする人が増えたり、そこがあらたなコミュニティになっていく。

それは図書館にも本屋にも(そして一般の読者にも)あてはまるはず。

 

 

まちが本で盛り上がるためのヒントをもらった、密度の濃いトークイベントでした。

 

 

 

おまけ

当日はトークイベントで紹介された本を販売するブースが「さわや書店オガール店」として1日限定オープン!

イベント終了後、熱のこもった紹介を聞いた参加者の方が、列になって本を買い求めている様子が印象的でした。

 

 

(nao)

 

※ゲストの方の肩書きはイベント当時のものです

 

 

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